大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2738号 判決

第二、被告人堀口久弥の弁護人の控訴趣意について。

しかし麻薬取締法第四条第四号違反の罪の構成要件は麻薬を使用して麻薬中毒となり、その結果公安をみだし又は自制心を失う状態の発生することであつて言わば麻薬の使用中毒についてその結果的責任を認めた法意であることが窺われる。従つて犯意又な責任能力に関する刑法第三十八条又は第三十九条の適用上本罪成立の主観的要素としては少くとも麻薬を使用する際責任能力があり且つ麻薬であつて中毒症状の発生することについての認識乃至右状態発生当時の責任能力の有無は之を問わず、麻薬中毒の結果かゝる状態の発生について之を有責たらしめるに十分であると解すべきである。

原判決の説示するところは稍明確を欠くも結局以上と同一見解に立つて被告人の原判示二の(ハ)の中昭和二十六年二月二十三日頃の挙動についてたといその当時心神耗弱の状態にあつたとしても右原判示二の(ハ)の罪の刑事責任に影響なく刑法第三十九条第二項を適用すべき限りでないとして、弁護人の主張を排斥したものであつて原判決には判決に影響を及ぼすこと明らかな法令適用の誤りはない。

(註 本件は擬律錯誤により破棄自判)

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